礼拝

使徒の働き21章21節〜40節(思い違い)

彼らはそれを聞いて神をほめたたえ、パウロにこう言った。「兄弟よ。ご承知のように

ユダヤ人の中で信仰にはいっている者は幾万となくありますが、みな律法に熱心な人

たちです。ところで、彼らが聞かされていることは、あなたは異邦人の中にいるすべ

てのユダヤ人に、こどもに割礼を施すな、慣習に従って歩むな、と言って、モーセ

そむくように教えているということなのです。それで、どうしましょうか。あなたが

来たことは、必ず彼らの耳にはいるでしょう。ですから、私たちの言うとおりにして

ください。私たちの中に請願を立てている者が四人います。この人たちを連れて、あ

なたも彼らといっしょに身を清め、彼らが頭をそる費用を出してやりなさい。そうす

れば、あなたについて聞かされていることは、根も葉もないことで、あなたも律法を

守って正しく歩んでいることが、みなにわかるでしょう。信仰にはいった異邦人に関

しては、偶像の神に備えた肉と、血と、絞め殺した物と、不品行とを避けるべきであ

ると決定しましたので、私たちはすでに手紙を書きました。それで、パウロはその人

たちを引き連れ、翌日、ともに身を清めて宮にはいり、清めの期間が終わって、ひと

りひとりのために供え物をささげる日時を告げた。ところが、その七日がほとんど終

わろうとしていたころ、アジヤから来たユダヤ人たちは、パウロが宮にはいるのを見

ると、全群衆をあおりたて、彼に手をかけて、こう叫んだ。「イスラエルの人々。手を

貸してください。この男は、この民と、律法と、この場所に逆らうことを、至る所で

すべての人に教えている者です。そのうえ、ギリシヤ人を宮の中に連れ込んで、この

神聖なな場所を汚しています。彼らは前にエペソ人トロピモが町でパウロといっしょ

にいるのを見かけたので、パウロが彼を宮に連れ込んだのだと思ったのである。そこ

で町中が大騒ぎになり、人々は殺到してパウロを捕え、宮の外へ引きずり出した。そ

して、ただちに宮の門が閉じられた。彼らがパウロを殺そうとしていたとき、エルサ

レム中が混乱状態に陥っているという報告が、ローマ軍の千人隊長に届いた。彼はた

だちに、兵士たちと百人隊長たちとを率いて、彼らのところに駆けつけた。人々は千

人隊長と兵士たちを見て、パウロを打つのをやめた。千人隊長は近づいてパウロを捕

らえ、二つの鎖につなぐように命じたうえ、パウロが何者なのか、なにをしたのか、

と尋ねた。しかし、群衆がめいめい勝手なことを叫び続けたので、その騒がしさのた

めに確かなことがわからなかった。そこで千人隊長は、パウロを兵営に連れて行くよ

うに命じた。パウロが階段にさしかかったときには、群衆の暴行を避けるために、兵

士たちが彼をかつぎ上げなければならなかった。大ぜいの群衆が「彼を除け。」と叫び

ながら、ついて来たからである。兵営の中に連れ込まれようとしたとき、パウロが千

人隊長に、「一言お話ししてもよいでしょうか。」と尋ねると、千人隊長は、「あなたは

ギリシャ語を知っているのか。するとあなたは、以前暴動を起こして、四千人の刺客

を荒野に引き連れて逃げた、あのエジプト人ではないのか。」と言った。パウロは答え

た。「私はキリキヤのタルソ出身のユダヤ人で、れっきとした町の市民です。お願いで

す。この人々に話しをさせてください。」千人隊長がそれを許したので、パウロは階段

の上に立ち、民衆に向かって手を振った。そしてすっかり静かになったとき、彼はヘ

ブル語で次のように話した。


***今日の箇所での暴動はパウロがエペソ人と宮の近くにいる所を見ただけで、パウロ

   が宮に連れ込んだ・・・と勝手に思い込んでしまったことが発端でこのような大き

   な暴動に発展しました。真実でないことを真実であるかのごとく思い込んでしまう

   ことは、なんとおそろしいことでしょうか。私たちの日頃の発言が思い込みでない

   かどうか、を日々気をつけながら過ごしたいものですね。しかし根も葉もないこと

   を言われたパウロが取った行動は、冷静でその暴動の勢いに押されることなく、落

   ちついた態度で対応する姿が、さすが信仰の深さを物語っているなあ・・と思い、

   このパウロに学びたいという気持ちがあふれました。来週はさらにそのパウロにつ

   いて学びを深めていきましょう。